埼玉県横瀬町の大人気ラーメン店「らぁ麺大金星」。毎日のように変わる限定メニューと、店主・山本よしたかさんの飽くなき探究心が、地元の人々を惹きつけてやまない。秩父生まれの山本さんが歩んできた道のりと、これからの展望を聞いた。
01 横瀬で、らぁ麺大金星を始めるまで
横瀬町で非常に人気なラーメン屋さんということで、行列もちょこちょこできていて、根強い人気を誇っているわけですが。まずは簡単に自己紹介をお願いできますか。
横瀬町で「らぁ麺大金星」を始めて、今4年半くらいになります。もともと横瀬と縁があったわけではないんですが、僕は秩父市生まれなので、秩父に帰ってきて何か飲食店をやりたいと思っていました。それが25、26歳くらいの時ですね。そこからラーメン屋を目指して。
それで横瀬町にいい物件があったので、横瀬町でお世話になることになって、いろんな皆さんにご指導いただいたり、助けてもらったりしながら、ここまでやってきた感じです。
02 定番メニューにも、かなり深いこだわりがある
大金星さんに来たことある方も多いと思うんですけど、まだ来たことない方に向けて、定番メニューとかこだわりを簡単に教えてもらえますか?
うちは、醤油ラーメン、塩ラーメン、煮干しラーメン、昆布水つけ麺がレギュラーメニューですね。
醤油ラーメンは、醤油を4種類ブレンドしています。
すご。
それでキリッとしたスープになってます。今は鶏と豚のスープが入っていて、清湯スープのあっさり系ですね。4種類の醤油を混ぜています。
それってどんな基準で混ぜてるんですか?
最初は試作で、まず1回混ぜてみるんです。その上で、それぞれがどういう味なのかを確認して、「ここをもうちょっと出したいな」と思ったら、その割合を高めていく感じですね。
1種類だけだと味の深みが出にくいというか、それぞれ良さがあるので。
澄んだスープが美しい、大金星の塩ラーメン
スープは大山鶏から取った鶏スープと、豚の背ガラで取ったスープです。そこに両方とも昆布を入れています。
煮干しラーメンの特徴はどんな感じなんですか?
前の会社で、煮干しラーメンをかなり売りにしていたお店にいたんですよ。そこでいろいろ見させてもらって。煮干しも種類がすごくあるんですが、産地によって味が全然違うんです。日本海側、太平洋側、千葉、愛媛、もう全然違います。
昆布水は、真昆布の根元の方を使っています。うちは結構ドロドロになるタイプですね。ラーメン屋さんによってはサラサラな昆布水もあるんですけど、僕はねっとりしてる方が好きなんで。
昆布水のねっとり感が特徴のつけ麺
03 大金星といえば、やっぱり限定ラーメン
僕はやっぱり大金星を語るうえで外せないのが限定ラーメンだと思っていて。毎日のように違うラーメンが出てくるんですよね。これがなかなか強烈で。今までどんな限定を作りましたっけ?
まぜそばも作りましたし、鯛のラーメンも作りましたし、牡蠣もありますし、イカ煮干しもありますね。まぜそばも、今もう5種類くらいあるかな。
誰にも言ってないんですけど、10月から月替わりで1個ずつ変わってるんですよ。
ご当地ラーメンをまねするのが好きなんです。
— 山本よしたか 鶏白湯もありますし、トムヤムクンのラーメンもやったことあるし、ソーキそばもやりましたね。二郎っぽいラーメンとか、最近だと家系っぽいラーメンとか、ラーショっぽいラーメンとか。ご当地ラーメンをまねするのが好きなんです。
限定のつけ麺で人気なものがあって、背脂鶏つけ麺っていうんですけど、キャベツの入ったつけ麺で、それは「ずっとやってくれ」って言われるので。やっぱりお客さんが結構来てくれるので、週1では絶対やろうと思っていて。
地元の人が食べたことのないものを、自分でも「真似したらこうなんだろうな」って考えながらやるのが、たぶん好きなんですよね。
04 定番だけでは飽きる。だから限定をやる
新しい限定メニューをやると、結構いろんな人に来ていただけるので、その日は売り上げの7割くらいが限定になることもあります。
うちは地元のお客さんが多いので、観光シーズンでも何でもない普通の日だと、7〜8割は地元の人か、仕事で来てる人かなと思います。やっぱり塩と醤油のレギュラーメニューだけだと飽きちゃうなと思っているので、限定をやる意味は大きいです。
05 修業時代から続く「まず出してみる」姿勢
修行したラーメン屋が4店舗くらいあるんですけど、一番最初のお店で、1日限定みたいなことはやっていました。最初は月1だったんですけど、それをどんどんやっていくうちに毎日限定みたいな形になって。
種類に関しては、一番最後にいたよしかわさんっていうお店の影響が大きいですね。「こういうラーメンをやりたい」って言うと、いろんなラーメンを作らせてもらったし、教えてもらいました。
やってみて、ダメだったらダメで、すっぱり諦めるのがいいのかなと。変化球があっても投げなければ意味がないですから。
— 山本よしたか
06 リピーターをつくるのは、限定だけじゃない
常連さんってどれくらいのペースで来るんですか?
一番多い人だと、週4、5回ですね。
週4、5回!? すごいですね。
リピーターさんを獲得するために工夫してることは、やっぱりお客さんと話すことですかね。
ただ、僕、結構「怒ってるよね」って言われるんですよ。黙々とやってると「いつもおっかないよね」って言われることが結構あって。別に怒ってるわけじゃないんですけど(笑)。
でも喋れるようになると、「全然そんなことない」って言ってもらえるので。皆さん、しっかり超えてください。怒ってるわけではありません(笑)。
07 SNSは「無料の広告」だから、毎日上げる
大金星さんってSNSもすごくこまめにやってますよね。それで限定ラーメンを知るし。
毎日限定を変えるっていうのが、飽きられないし、見てもらえてる理由だと思っていて。あとはもう、無料の広告ですよね。今日これだったら店に行きたい、って思ってもらえるラーメンを作るしかないって、僕は思ってるんで。
僕も最初に行かせてもらった時、醤油ラーメンを食べておいしいと思って、SNSをフォローするじゃないですか。そうすると毎日投稿が目に入るから、1日の中で必ず1回は思い出すんですよね。「今日つけ麺か〜」「まぜそば食べておきたいな〜」みたいな感じで、毎回欲望と戦うんですよ(笑)。
修行時代に「SNSは毎日絶対にアップしろよ」って怒られましたね。「本当に自分の店だと思って投稿しろよ」って言われて、そこからちゃんと上げるようになりました。
08 1日90杯。それでも、まだ伸ばしたい
今はどのくらい売れているんですか?
杯数でいうと90〜100杯くらいですかね。平均だと90杯くらいだと思います。
もうちょい増やしたい?
もうちょい増やしたいですね。イベントに出るとか、ラーメンウォーカーさんとか、テレビに出るとかはやっぱり強いですよね。テレビは強いと思います。
09 地元では知られてきた。次はもっと外へ
今の課題やもっと伸ばしたいことは?
地元の人には結構来てもらったと思います。認知はしてもらってると思います。SNSのフォロワーも3,000ちょっといますし。
まだ行きたいですね。埼玉県内でもっと認知してもらって、観光で来た人にも「秩父に行ったら大金星に行ってみたい」と思ってもらいたいです。
ブランディングは自分が一番苦手なんですけど、ラーメンはうまいって言ってもらえることが多いので、そこをこれからちゃんとやっていきたいなと思ってます。
並んでも5組以内なら入れるイメージですかね。30分以上は絶対待たせたくないっていうのはあります。
10 地元の素材は使っている。でも、まだ伝えきれていない
秩父と横瀬をちょっと分けてる自分がいて。これは秩父に住んでる人じゃないと分からないこだわりかもしれないですけど。
でも別に、使ってないわけじゃないんですよ。JAの直売所で買った新鮮なものも使うし、味噌も使うし、醤油も島田醤油さんのものを使ったり、結構使ってるんです。
自分の課題ですね。課題と解決策が見えました。
— 山本よしたか 言っていきましょう。
はい、言っていきましょう(笑)。